ペアノの公理の一意性

2020/09/29

今日の目標

ペアノシステムの一意性を示す。

ペアノシステムの一意性

kureha
前にペアノシステムを
「集合」で構成したけどさ
mizuha
↓これね
定義

集合 $\NN$ とその要素 $0 \in \NN$ と写像 $s: \NN \rightarrow \NN$ の組 $(\NN, 0, s)$ で

(P1)
$s$ は単射
(P2)
$0 \not\in s[\NN]$
(P3)

$\NN$ の部分集合 $A$ が

$0 \in A$$s[A] \subseteq A$

を共に満たせば $A = \NN$

を満たすものをペアノシステムと呼ぶ。

kureha
実際に構成できたから
ペアノシステムの存在はわかったけど
kureha
一意性は?
mizuha
良い質問ですねえ
mizuha
2つのペアノシステム $(\NN, 0, s), (\NN’, 0{}’, s’)$ を取ったときに
何が起こるかというと……
定理(ペアノシステムの一意性)

ペアノシステム $(\NN, 0, s), (\NN’, 0{}’, s’)$ に対し、全単射写像 $F: \NN \rightarrow \NN’$ で

(1)
$F(0) = 0{}’$
(2)
$F(s(n)) = s'(F(n)) \qquad (n \in \NN)$

を満たすものが唯一つ存在する。

kureha
うん? どういうこと?
mizuha
2つのペアノシステム $(\NN, 0, s), (\NN’, 0{}’, s’)$ があると

mizuha
こんな風になってるわけだけど

mizuha
こんな全単射 $F: \NN \rightarrow \NN’$ があるよってこと
kureha
実質同じ構造になるってことか

mizuha
言い換えたらこんな可換図式を作るような
全単射 $F$ があるってことだから
あんなステートメントになる

ペアノシステムの一意性の証明

定理(ペアノシステムの一意性)

ペアノシステム $(\NN, 0, s), (\NN’, {0}’, s’)$ に対し、全単射写像 $F: \NN \rightarrow \NN’$ で

(1)
$F(0) = 0{}’$
(2)
$F(s(n)) = s'(F(n)) \qquad (n \in \NN)$

を満たすものが唯一つ存在する。

kureha
あ これ再帰的定義としてみなせる?
mizuha
そうそう
以前こんなの示したよね
定理

集合 $X$ と $x_0 \in X$ と写像 $R: \NN \times X \rightarrow X$ に対し、写像 $f: \NN \rightarrow X$ で $$\left\{ \begin{aligned} f(0) &= x_0 \\ f(s(n)) &= R(n, f(n)) \qquad (n \in \NN) \end{aligned} \right.$$ を満たすものが唯一つ存在する。

kureha
あ じゃあこれ
$X = \NN’$
$x_0 = 0{}’$
$R(n, x) = s'(x)$
としたら終わりじゃん
mizuha
はい QED